『姑の遺品整理は、迷惑です』垣谷美雨著
こちらの本を読みました。
主人公の姑はとにかく物を溜め込むタイプ。舅が亡くなったタイミングで狭いアパートに引っ越しをしたのに、あふれんばかりに物があります。そして、それらの物にはほぼ価値がない、まさに安物買いの銭失い。夫は仕事で忙しいのでメインで片づけるのは主人公一人。早く退去しないと家賃を払い続けることに。業者に頼むか、自分で片づけるかも悩みどころです。
これらの描写を読んで改めて思ったのが、人間いつ死ぬか分からないとはいえ、ある程度の年齢になったら物の処分をしておかないことで多大な迷惑と金銭が必要になるなと感じたことです。どうしても捨てられない人は、片付け費用を生前に見積もりをとって用意しておく配慮は必要ですね。
物語は、主人公が片付けをしながら姑の生き方を知っていくというもの。このお姑さん、部屋は物屋敷、金銭的にも何も残していかなかったけど、多くのあたたかい人付き合いが大きな遺産でした。そのおかげで思いの外順調に片付いていきます。
なかなかほっこりする内容の小説です。人としてこのお姑さんのような生き方は素敵だなと思えます。
が、片付いていない部屋はやはり後に片付ける人が迷惑というのもありますが、本人が生きていても暮らしにくいもの。
最近は終活という名の元に片付けをしようというような特集記事を見たりしますが、片付けは、終活などを待たずに今すぐでもやるべきことです。なぜなら日々の快適さに直結するからです。
誰かに迷惑をかけないようにという配慮はもちろん大事ですが、自分の快適な住まいを作るためにも、家を整理整頓、清潔に保つことはとても大切なことですよね。
片付けや掃除は物の多さに比例して大変になっていきますので、まずは不用品の処分が大切なことです。分からなければ人やサービスに頼るのもいいでしょう。家族の言うことは聞きたくなくても、他人のアドバイスなら案外受け入れやすいかもしれません。
私は1年前に引っ越しをしましたがその際に家具は全て処分しました。実家から持ってきて既に〇十年経った物は廃棄、カラボや棚はジモティーで無料で譲りました。
机は新たに購入しましたが、自分で簡単に運べる重さで折りたためる物、椅子も簡易な物です。これで一人でも軽々いつでも模様替えもできるし、掃除も、そして引っ越しも簡単。日々、とても快適に暮らしています。
ちなみに物は作りつけのクローゼット以外は、バンカーズボックスに収納しています。
家具があって当たり前、物がたくさんあって当たり前ではないので、一度物の持ち方について考えるにも、良い本だなと思いました。